令和元年房総半島台風発災から3年。個人的に思うこと「減災」

岩井袋

冒頭の画像は、現在の岩井袋地区の様子です。ブルーシートでいっぱいだった当時とは異なり、外観上は被災地という印象はなくなり、それぞれに新しい暮らしが始まっているようにうつります。

今年の3月まで、鋸南町ボランティアセンター内に常駐し、鋸南町内の被災者さん、被災家屋の支援活動のセンター運営支援として、鋸南復興アクセラレーション(以下、当団体)は、令和2年1月から2年3ヶ月の間行ってきました。

ニーズ(支援の手が必要な方々)が落ち着き、活動の見通しがついてきたことや、当団体メンバー各々の平時への生活へのシフトを考慮し、私自身も主軸は家族との日常、家業へと移りました。

防災減災活動という「復興」

今回は、普段取り上げる機会の少ない、地域での防災減災活動についてお話ししたいと思います。

当団体の活動の主軸のひとつである、防災減災活動という「復興」。

元ある町に、元ある生活に戻ることが復旧だとするなら、私たちの考える「復興」とは、この町で暮らしてよかった。この町がもっと好きになった。災害という困難を乗り越えて、より災害への備えが進んだ。そう思ってもらうことです。

コミュニティ支援「場づくり」をとおして

そこで、「足湯とお茶会」や、ボランティア団体の方々、プロの方々をお招きした「音楽会」などを開催し、非日常の中でホッとできる場作りを行ってきました。

ハンドベル演奏
ハンドベル演奏会

コロナ禍で中止も多かったことが悔やまれますが、安心して安らぐことができるという観点からみれば、決断も時に必要だったと思います。

参加してくださった方々の多くは、平日の日中に家にいらっしゃる方々。また、元々何かしらのコミュニティに属している方が多く、平時から困った時に助け合える環境の整った方という側面もありました。もちろん、新しいコミュニティや出会いの場ともなったのですが……。

足湯とお茶会の様子

ただ、平日の日中に地域にいて、地域のことをよく知りコミュニティの場へ赴くことができる方々は、災害時の助け合いや必要とする支援へのアプローチがしやすい方でもあります。そのような方々が増えることこそ、住みやすい環境であり、災害弱者へのアンテナを張ること(もちろん自助が一番ですが)は、地域の力となり、災害時に強い町づくりとなりえるのだと、改めて感じました。

自分ごととして「災害ボランティアとして何ができるか」

別の視点からは、「災害が起きた時にボランティアとして何ができるか」というような講座も何度か開かせていただきました。

住民向け災害ボランティア講座の様子

このような会には、元々ボランティア活動をされている方や、議員の方など、災害時への感度が高い動き手となり得るような方が多くいらっしゃいました。ボランティア感度や情報感度の高い方々が増え、情報をアップデートし続けることは、平時にこそできる取り組みなのだと思いますし、地域内での関係人口の広がりとなりえると感じています。

次世代の防災教育という「減災」

そして、回を重ねるごとに、「次世代の防災教育」が必要であると気づき、また、「次世代の人材育成」が必要であると、取り組みはじめました。

「放課後子ども教室」でのブルーシート寝袋づくりの様子

具体的には、

・中高生対象の避難所運営ゲーム「HUG」

・小学生対象の防災◯×ゲーム

・放課後子ども教室で毎月一回「防災教室」

・幼稚園児対象の防災訓練の講師

など……

そして、この春には

ロータリー青少年指導者育成プログラム(RYLA)にて当団体代表の講演と、避難所運営ゲーム 「HUG」の助言等参加をさせていただきました。

避難所運営訓練ゲーム「HUG」の様子

夏休み期間には

「ワクワク・かんこう・ぼうさいスタンプラリー」を開催しました。

こちらのイベントは、鋸南町観光協会をはじめとし、鋸南町青少年相談員連絡協議会、鋸南ロータリークラブ、鋸南町、鋸南町教育委員会、鋸南町社会福祉協議会、その他町内の多数の店舗や施設から協賛協力を賜り開催しました。

スタンプラリー(クイズラリー)参加者の様子

コロナ禍でもできるイベントを、学びをとめないを軸に、密にならず、また町内で新たな町内の名所を知る、観光地を知る、防災の知識を楽しみながら身に着けることができるようにと、クイズやスタンプラリーという形で開催しました。

町内の幼児、児童、生徒をはじめ、町内外の多くの方々に参加いただきました。

当団体が目指していた、笑顔があふれる「復興」へ、多くの町内の方々の力が重なりあって開催できたことを、心からうれしく思います。

これからの取り組み

また、晩秋にも小中学生向けの減災イベントを企画しています。受容力が高く、発想力も豊かな子ども達が、健やかな成長の中で、楽しみながら学ぶ「防災・減災」。すでに災害を経験した子ども達は、より強く、よりしなやかに、自分ごととして前向きに災害と向き合えるよう、そのような一助となれたら……。

自分なら避難用リュックに何を入れるか、各々で実際にリュックに入れたものを説明している小学生の様子

多くの次世代を担う方々との出会いにより、私たちも多くの刺激を受け、学ぶことも多いですし、順応性の高さや、モチベーションの高さに圧倒されることもあります。

結びに

年々自然災害が増え続け、災害は避けて通れぬものとなってきました。

しかし、台風などの風水害は、事前に予測ができるようになり、最悪の事態となる難を免れる手段も取れるようになりました。

地震のような予期せぬ災害でも、事前の備えにより、災いを減らすこともできます。

今一度、お読みになってくださっているあなたも、自分自身のみならず、大切な人と備えについて話す機会となることを期待しています。

当団体として……

大切にしたいこと、それは「ぶれずにいる」こと。

2年間町内で全戸配布させていただいたチラシ

当たり前のことを何言ってるんだと思うかもしれませんが、当団体の中でいつも話に上がることです。

第一に被災者さんの安心した生活、そして、復旧ではなく復興。

この町に住んでいてよかったにプラスして、この町に生まれてよかった。そう思ってもらえるような、次世代の人材育成により一層力を入れていきたいと考えています。

当団体は小さな小さな団体です。今まで、本当に大きな力を、さまざまな方々や、団体の方々、町の皆様など、とても多くの方々にご支援ご協力をいただき、支えられてきました。

それぞれに思う復興の道のりは続きます。

これからも、お力添えのほど、よろしくお願いいたします。

皆さまにとりまして、年に一度、防災備蓄品の確認や、いざというときの難を逃れる確認の日となりますように……。

みんなの笑顔が力になる

鋸南復興アクセラレーション

副代表 笹生さなえ

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