9月1日は防災の日です。災害を自分事として考え、備える日。
防災というと、自宅での備えを考えがちですが、災害に遭うのは必ずしも自宅にいるときとは限りません。昼間、仕事をしているとき、オフィスで被災することも十分、ありえます。また、コロナ禍において、職場とはオフィスとも限りません。リモートワーク中、コワーキングスペースにいるときに災害が起こることもありうるわけです。
そこで、「職場と防災」という視点で、災害を考えてみましょう。「職場と防災」が目指す4つの守りがありますので、それを紹介いたします。(内容は、雑誌「安全衛生のひろば」2021年9月号から一部引用)
- 誰もが無事である「職場の防災」
職場に潜在する災害リスクやハザードを確認します。水害や地震が起きたときに、必要な耐水化と耐震化です。情報機器などが水害にあい、会社の顧客情報などが使えなくなることもあります。そういったリスクを回避するために情報機器をはじめ家具の置き場所を考えましょう。
また、仕事で外出しているときに被災したときは「無理に職場に戻らない勇気」も必要です。アンダーパス道路が浸水しているのに、急いで戻ろうと車で突っ込み、車内に閉じ込められて溺死することもあります。職場にも備蓄が必要で、職場で話し合いのうえ、災害時に効率よく運用できるような管理をしておきましょう。
- 職場を継続する「企業BCP」
BCPとはBusiness continuity planで、事業継続計画です。緊急事態にあい、優先的に取り組むべき「災害対応業務」と企業としての倒産を免れ、事業を継続するため優先すべき事業の継続について計画し、準備するのがBCPです。現状のBCP策定率は大企業で高く、中小企業で低くなっています。中小企業のBCP策定の普及は仕事場としての職場の防災の基盤のかさあげになり、また、日本経済の防災の基盤づくりにもなります。
- 就業者が仕事にまい進できるための「わが家の防災推進」
一家の大黒柱である労働者が被災し、帰宅が困難になったとき、家庭が安全でないと仕事に取り組むことができなくなります。職場として、わが家の防災を推進することは、職場の防災にもつながることになります。
- 社会と地域を守る「コミュニティ防災」
職場が運よく大きな災害から免れたとしても、地域の一員としても災害対応にあたること、職場の重大な社会貢献につながります。日頃から地域社会とのつながりを深めることがESG、つまり環境、社会、ガバナンスの発想にもつながります。
また、テレワークが広まっている今、職場の人との対面でのコミュニケーションが減ったり、地域の人たちとの交流も少なくなっています。コロナ禍であればこそ、自分の職場と地域の防災について再考することが大切です。