コラム(6)~「共助」は誰かに強制されるものではありません!

昨年9月9日、鋸南町が台風で甚大な被害を受けてから1年。最近、特に問題なのが「空き家問題」です。空き家が被災したときのまま放置され、屋根が傾いていたり、瓦が落ちそうになっているのを散見します。

先日、ある空き家の調査に行きました。家の中を見ると、壊れたガラス戸や雨どい、トイレットペーパーがそのままの状態になっていました。雨どいが壊れているため、雨が降ると、隣の家の玄関先が水浸しになってしまうのだとか。

現地調査に行き、驚いたのは、空き家のお隣に住む女性から聞いたこんな言葉でした。

「隣の空き家が壊れて困っているなら、あなたがブルーシートを張らないとだめでしょう、と人に言われることがあるんです。だけど、高齢の夫婦で住んでいるので、自分たちでブルーシートを張るなんてできない…」

壊れたガラス戸や雨どいがそのままになっている

壊れて、周囲の建物に被害をもたらす可能性のある「空き家」。「空き家問題」の難しいのは、持ち主の私有財産であり、勝手に修繕してはいけないというところにあります。また、今回のケースで感じたのは、「共助」は強制するものではない、ということ。隣近所の困りごとがあったとき力を貸すのは共助ですが、それを押し付けたら共助とはいえないのです。

危険な「空き家」を見つけたら、「空き家」の持ち主と連絡が取れるかどうかを確認してください。もし、持ち主と連絡がとれるのでしたら、その所有者から当団体に連絡いただければ対応ができる可能性があります。

現地調査で被災者の声に耳を傾けると見えてくる問題があります。小さいことも「問題」として情報発信していくことが大切であると考えます。(執筆=清水多佳子)

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